FC2ブログ
≪08  2018-09/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  10≫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
■ 12月27日 ■
 真剣に──どこまでも真剣に。
 二人は、互いの視線を感じている。
 こぼす息。
 交わす僅かな呼吸音。
 互いの鼓動すら読み解かれそうな緊張感に包まれて、静かに二人は手を伸ばす。
 全てを賭ける。
 全霊の情熱を瞳に込めて、握り締めた希望を提示する。
 それが──つまり、生きていくということの代価。
 そっと、外界に晒すことを怯えるかのようにして──
「──フルハウス! 私の勝ち~!!」
「おわあ、マジか!?」
「へへ~ん、これで年越しは蕎麦確定だね~」
「むぐう……俺、年越しラーメンだと決めてたのに……」
「日本の風習には従わなくっちゃだよー、拓さん」
 心底から悔しがる拓也と、得意満面に勝ち誇ってみせる美雪と。繰り広げるのは底の抜けた喧噪。
 呆れたような、憧れるような、二人を見つめるラーメン屋の店主の視線。
 いつまでも、平和でいようとする心に代わりはない。
 たとえそれがどんなに些細なことであろうとも──他に代わりなど、あるはずがないのだ。

 世界が滅びるその日まで、あと十二日。

テーマ : 自作恋愛連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

Secret
(非公開コメント受付中)

コメント

プロフィール

神楽坂司

Author:神楽坂司
世界が終わる。
無慈悲に優しく、無造作に哀しく。
無意味に虚しく、無感動に冷たく。
世界は終わる。
終わりの中で初めて紡がれていく、優しくて哀しい人々の絆。避けられない終局を前にしたとき、彼らの選択はこの世界に何を残していけるのだろうか──?

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
フリーエリア
QRコード
QR
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。